『タージマハルの衛兵』と2020年

2020年ぽっぽアドベント③の12月23日担当の『タージマハルの衛兵』に熱いななしです。

  

変わった/変わらなかったこと Advent Calendar 2020 - Adventar

 

変わった/変わらなかったこと2 Advent Calendar 2020 - Adventar

 

変わった/変わらなかったこと3 Advent Calendar 2020 - Adventar

 

 

12月23日のアドベントは 

 

アドベント①はurokogumoさん

urokogumoon.hatenablog.com

 

アドベント②はイチョウさん

taityorhithm.goat.me

 

 

本文が大変に長いので12月24日のアドベントのご紹介から。

 

アドベントるこさん

rucobloog.www2.jp

 

アドベント君山さん

note.com

 

アドベント③犬飼さん

yawaraka-kinyudo.hatenablog.com


 

クリスマスまで……あと2日!!

 

 

 

最初に 

「変わったこと」は、ななし(@774n0g0n8)のアカウントを作ったこと。

その理由はこれからお話ししていく『タージマハルの衛兵』という舞台作品を観てから、なにかしらの形で公演の記憶を残しておきたくて。

「変わらなかったこと」は絵を描くこと。

でも、『タージマハルの衛兵』と出会ってなかったら2020年は1枚も絵が描けてなかったかもしれない…。好きなものを絵に描く!を忘れないでいさせてくれたのも『タージマハルの衛兵』

 

『タージマハルの衛兵』は2019年12月7日〜23日(プレビュー公演12/2.3)にて、新国立劇場小劇場で行われたシリーズ「ことぜん」作品。

 そう…忘れもしない、去年の12月23日が『タージマハルの衛兵』の千秋楽。

この1年間思い続けた作品を振り返るにはとってもいい。記念日。

『タージマハルの衛兵』作品そのものを語るというより、今回は主にTV放送を待ちに待った日々について振り返る。少しだけ『タージマハルの衛兵』との出会いも交えつつ。Twitterのアカウントにツイートしたのが2019年12月21日。
その少し前に『タージマハルの衛兵』は観ている。なんなら、その1回を最初で最後にしよう…!と強く決意もしかけた。私は強すぎる衝動にはかえって逃げ出したくなるところがある。
この作品をもう1度観たら、なんだかとても大変なことが自分に起こる気がする…。1回だけなら、なんだか、すごい舞台を観たなぁと思い出にできるのでは。自分の中に渦巻くものをやり過ごせるのでは……。
でも、短くはない人生の中でもわかっている。
こういう衝動を我慢すると、どうにもならない後悔が重くのしかかることを。
やらなかった後悔よりやった後悔。そうした方が人生はなんだかんだ楽しい。
その時点でもう残り少ない公演数ながら、幸いなことにご縁に恵まれ、その後に行ける限りに劇場に足を運べた。
でも、千穐楽には劇場には行けなかった。2019年の12月23日は祝日ではなくなっていたので……。当日券で観れたかはわからないが、挑戦もできなかったのが悲しくて悔しくて、この1年ずっと未練と悔いを抱えている。たぶん、ずっと消えない。12月23日が来るたびに観れなかった『タージマハルの衛兵』の千秋楽に想いを馳せる気する。
もっと観たかった。『タージマハルの衛兵』のプレビュー公演も観たかった。どんな違いがあったのか、変化を追いたかった。シアタートークも聴きたかった。4名が語る公演について、すごく気になる。公演ガイドツアーも参加したかった…と言い出したらキリがないくらいにあれもこれもと後悔と未練と欲が尽きない。
ありがたいことにSNSにレポートを残してくださってる方々のおかげで、どんなものだったかを知ることができる。

誰かが書き留めてあるおかげで、後になって知ることができるというのは、改めて凄い。

でも、誰かが書き留めておかないと、記録として残そうとしないと残らない。

記録と言うほどの形にできないかもしれないが、2020年どうしても振り返ってまとめておきたいことがある。

『タージマハルの衛兵』の放送に向けての10日間のカウントダウン…

 

前置きがだいぶ長くなったが、今回は2019年から心を占めている『タージマハルの衛兵』との2020年について

 

『タージマハルの衛兵』とは

f:id:t774n0g0n8:20201224125140j:plain

f:id:t774n0g0n8:20201224132427j:plain

f:id:t774n0g0n8:20201224132357j:plain


f:id:t774n0g0n8:20201224125223j:plain

 

原作:Rajiv Joseph(ラジヴ・ジョセフ)

翻訳:小田島創志

演出:小川絵梨子

出演:成河    亀田佳明

www.nntt.jac.go.jp

 

未見の方に舞台がどんなものであったかを伝えるのに持って来い!キャプチャからして最っっ高…!のこちらの動画。

『タージマハルの衛兵』の持つ、湿度、不穏さ、軽妙な語り合い、台詞ひとつひとつの印象深さなどの魅力がギュッと詰まっている… 

youtu.be

なんだこれ。ひでえな。ーーでも仕事だった。

この動画が大好きで、後ほど出てくる放送に向けて作った動画でも参考にもした。

 

また稽古中の様子ということで、本公演との違いもうかがえる。

動画最後のフマーユーン(成河)のまっすぐにバーブルを見ているであろう視線と、淀みなくはっきりと言葉を放つ姿がとても印象的。

 

ーあれは月なんかより綺麗だよ

 ーいや、それはない

 

"美しいもの"について語り合うフマーユーンとバーブルのやり取りの中で、フマーユーンがタージマハルよりも月こそ美しいと言い切る場面。

本公演の際のフマーユーンは、怯えるような、遠慮するような、自信はなさそうな…なんとも頼りない態度で、バーブルの方を見ることは出来ずに、それでも、自分の考えを伝える

もしも、あんな風にバーブルと対話できたなら、もしかしたら、2人のいく末は違ったのでは…?と思わずにはいられないほど、フマーユーンの印象が変わる。

戯曲、言葉だけではわからない、演じ方一つでこんなにも意味合いも印象も変わる。

プレビュー公演版ではどうだったのか………と変化していく作品の様相について思いを馳せずにはいられない。 

 

2020年の『タージマハルの衛兵』/GUARDS AT THE TAJ 

上演期間は2019年12月だったが、2020年も色々あった、そう、それはもう色々……!

『タージマハルの衛兵』は2020年5月3日23時55分NHKBSプレミアム「プレミアムステージ」にて放送。

冒頭でも書いた通り、この放送に向けての日々についてまとまった形で書き残しておきたい、振り返りたいという強い思いが5月からずっとあった。リアルタイムでその当時熱狂した1人のファンとして……

 

公演舞台は必ずしもメディア化、ないし放送がされるわけではない。記憶を頼りに思い出の中の舞台……何とかしてもう一度観たい…と焦がれる舞台作品が沢山ある。『タージマハルの衛兵』もそうなるだろうなぁ…と思っていた中、上演期間後半に

 

「放送のための撮影カメラが入っております」と会場に張り紙。

 

「放送のための」

 

放送のための!?!?!?!

 

放送って言い切っている…………

  

放送予定があるのか……『タージマハルの衛兵』

  

あくまで撮影がされても、放送そのものがどうなるかわからないし、一年後、五年後…と放送日がいつかわからない。けれど『タージマハルの衛兵』は放送が予定されている…!これは終演に近づく中で、また観れる、何度も観れる可能性があるとわかっただけでも、めっちゃめちゃに心が踊る嬉しいことだった。

奇しくも2020年の前半の自分にとっては、精神的に本当に希望を託す、懸けるところにもなる。

 

Twitterで定期的に

 

f:id:t774n0g0n8:20201222061201j:plain

 

 

 

 と、そんなこんなで放送日を心待ちにしつつ、忘れたくないの気持ちで舞台を思い出しては絵を描いたりしていた

すごい丁寧に描いてたわけではないが、年末年始からず〜っと、時間があってもなくても『タージマハルの衛兵』のことを描いたり、珍しく長文を書いたりしていた。放送があるのは喜びであると同時に映像として編集され、ある種の他者の視点。劇場で自分が観て感じたものとはまた違うものになるのは仕方ないこととはいえ、複雑な気持ちにもなる。

そして、記憶が薄れていく…少しでも記憶が鮮明は内に私自身の『タージマハルの衛兵』の記憶を残しておきたかった。


twitter.com

 

  • 3月27日放送予定発表

いよいよ待ちに待っていた放送予定が告知された。

嬉しいより、まずひと安心…という安堵の気持ちで泣けてきた。

色々あって非公開とかになるかも、もしかしたら放送はされないのかもしれない…という一抹の不安も抱えていたので……。よかったぁ…とTwitter画面開いたまま、iPhone握りしめた。

そして、画像も作ってた。

f:id:t774n0g0n8:20201222062409j:plain


 

 『タージマハルの衛兵』とは直接、関係ないが

f:id:t774n0g0n8:20201222061317j:plain

 3/25にフマーユーン役の成河氏が2016年に出演した『わたしは真悟』のWOWOW放送予定が発表され、『タージマハルの衛兵』の放送を待つ人々がTwitterで3年かかる事もあるのか…そうか……と何故か『タージマハルの衛兵』も話題に。

あのとき、遠く離れたどこかで自分と同じようにタの字も出てないのに、『タージマハルの衛兵』のことを思っている人がいる、SNS上の事とはいえ、ざわざわとした空気感の共有はTwitterやってなったらわからなかったので、なんだか不思議な感覚と共にお祭り感があって楽しかった。その2日後に『タージマハルの衛兵』の放送日も発表されたの含め、いい思い出のひとつ。

 

 

 4月新国立劇場の演劇によるカウントダウン開始

 『タージマハルの衛兵』の演出を手掛けた小川絵梨子氏もこちらの動画の中で放映の告知!

 

そんなこんなといよいよ放送まであと10日と迫る中、それは突然のことだった…。

次の文章が目に入った瞬間に劇的なBGMが流れるシステムが欲しい。銅鑼があったら鳴らしたい。

 

 新国立劇場の演劇Twitterによるカウントダウンが始まるー

 

フマーユーンとバーブルのイラスト付きで! 10日間!毎日更新!!#おうちでタージマハルの衛兵!!#バーブとフマ!!!

フワッと笑うバーブルとしかめっ面で目線を逸らすフマーユーンのイラストがとても可愛い。ポストカードで欲しい。

「#バーブとフマ」のハッシュタグ、フマとバーブじゃなくて、名前の順番が2人の立ち位置バーブル フマーユーンの並びだ!と興奮した。

どのツイートも作品のあれこれが散りばめられており、愛おしくて大好きなこのカウントダウンを是非一覧にしたい!一気見したい!の気持ちがずっとあった。

このカウントダウンをなんとか語り継ぎたい…そんな思いでいっぱいです。

  

 

 タージマハルの成り立ちについてもわかるLOVEタージ・マハル先輩

[びじゅチューン!] LOVEタージ・マハル先輩 | NHK - YouTube

 

 

 

この日のカウントダウンはいつもと様子が違った

 

バーブルだけ

 

続き…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バーブル役の 亀田佳明!?!!!

「いよいよ明日放送だ……!」バーブルと同じことを言っている…………………っ!!

 

当時の私のツイート

 

亀田佳明氏がことぜんTシャツ着てたのが嬉しかった気持ちと興奮と衝撃をどうしたらいい?!?の気持ちでことぜんTシャツを模写した。

 

 

遂に 放送日当日…!!

 

 

 

フマーユーンを見ている誰か…

 

 20時に……

 

つまり……

 

 

 

 

 

 フマーユーン役の成河!!!!

 

昨日の亀田佳明氏の動画により、今日は…おそらく…と少し心構えができていた。とはいえ、すごい……と昨日に引き続き驚きながら、放送に向けての気持ちはさらに高まった。

成河氏の「20時に何かありました」とフマの 「20時に何かあるんじゃないかって」の呼応に胸が熱くなった。

 

f:id:t774n0g0n8:20201223073614j:plain

すごいことだった…

 

 

5月3日

NHK BSプレミアム「プレミアムステージ」にて放送

(https://www4.nhk.or.jp/p-stage/x/2020-05-03/10/27133/2646334/)

作品の紹介文が美しいので引用。

 17世紀、タージマハルの建設現場を警備することになった幼馴染同士の若き衛兵二人の夢と友情、そして、運命とは?

 

私の10日間

自分でもテレビ放送までのカウントダウン絵を描いていた。

 

新国立劇場のカウントダウン始まった際に

 

別の絵も描いてたが、やり直し!って仕切り直して

  

公式のカウントダウンに、はしゃぎだして自分の方のカウントダウンが止まる。そういうこともある。いや、だって、まさか…こんなことになるなんて…!と嬉しい悲鳴。

今、思い出しても、本当にめちゃめちゃ楽しい10日間だった。特に2020年の春先は緊急事態宣言の最中で、明日のことも見通しは立たず、何かを楽しみに待つ、未来のことを明るい気持ちで考えるなんてことは、なかなかむずかしくて。

自分を取り巻く環境も望ましいものとは言い難く、日々、不安と葛藤とやるせなさに押しつぶされそうにもなっている中で、好きの気持ちに心がまだ動く、そして、絵を描くことができる自分がいると実感できたのが励みというのか…なんて言ったらいいのかな…当時のしんどさの心の拠り所にもなっていた。

 

 LOVEタージマハルの衛兵先輩 

 

 

どうしても劇場で観た、暗闇の中から輪郭が浮かび上がるような、あの照明が心に深く刺さっていたので、一枚絵では移ろう光と影の表現は難しく、それなら動画にしてみよう!あと稽古動画に憧れて。

 

f:id:t774n0g0n8:20201222072725j:plain

1週間前で録画予約が受付可能に(4/27)

 

『タージマハルの衛兵』のバーブルとフマーユーン 新国立劇場のくまさん達

ことぜんシリーズの宣伝美術に登場するアローンさんとアロットさん

 

7日前分として動画を上げたきり止まっていたカウントダウン

 いや〜でもやっぱりやりたかったな…と少し未練が湧く。6日分ということは、6枚描いたら同じことでは…………

 

そうだ、放送6時間前からカウントダウンやろう

 

と7時間前くらいに思い立つ。描き貯めておいた絵はないので、準備も余裕なく、正真正銘1時間に1枚のタイムアタックのカウントダウンツイートをスタート。

 

 ※画像の英文間違い。正確には「Note: Actors should not use a dialect」

 

戯曲の冒頭にある注意書きからスタート。

 

ざっくり第一場のやりとりをイメージして描いてた。当時、気づいてくださった方がいて嬉しかった。 

 

この後、お風呂に入り、身支度して、いざ放送を観る23時55分からはツイートする余裕もなく、静かにそのときを迎えたが「プレミアムステージ」の冒頭に原作者ラジヴ・ジョセフのインタビュー。いざ、本編!と身構えたら、主演の成河・亀田佳明2人揃ってのインタビューがあり、わぁ!って静かに叫んだりはした。よかった、家で………本当に…………。

 

6時間で6枚と描き続けたらそのあと腱鞘炎気味になったのも思い出。

 

宣伝美術について

放送に先駆けて、『タージマハルの衛兵』を含む、ことぜんシリーズの宣伝美術を担当したコードデザインスタジオさんのツイートから『タージマハルの衛兵』の宣伝美術について知ることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:t774n0g0n8:20201223051041j:plain

 バーブルの台詞

 

 

アロットさんとアローンさんはことぜんシリーズに登場するキャラクター。

 

『タージマハルの衛兵』の公演チラシに光の加減で浮かび上がる文字、タージマハル…と手に取ってみるものならではのこだわりと工夫が詰まっていて、すごい素敵。これは箔押しかな〜透明箔か?とツイートしていたら、加工についても教えていただけたのでご紹介。

 

6月 新国立劇場会報誌「The  Atre」の表紙 

  (※こちらは2020年12月現在

アトレ会報誌 2020年7月号 - ♪ 新国立劇場 オンラインショップ ♪  でも購入可能)

  

……………美しい…

鳥を見ている2人、でも、かたや木の上のいかだに残るバーブルと、そこを離れているフマーユーン…。同じものを美しいと見ながらも離れ離れの2人…

本編では一番最後の第5場のワンシーン。まだ衛兵になりたてのフマーユーンとバーブルの2人がジャングルで迷子になり、隊列を離れて2人だけで、その剣で作った「木の上のいかだ」の上で語り合う。

どの瞬間も心に残っているが、とりわけこの「木の上のいかだ」の場面が大っっ好きなので、『タージマハルの衛兵』が表紙を飾ったことも嬉しいし、この写真であったことも嬉しい…加えて放送も終わった7月に、新しい情報が!!と、はしゃいだ。

あと声を大にして言いたい!

 

なんと!これ!!

公演記録の舞台写真には載っていない場面の写真!!!

タージマハルの衛兵 | 舞台写真・公演記録 | 新国立劇場 ※流血表現あり

 

そして、放送版ではフマのUPになっているため、劇場で観た光景をこうして観ることができて嬉しい…。

本編において、2人が見る「美しいもの」…完成したタージマハル、飛び立つ鳥の群れは舞台上には登場しない。タージマハルを観る2人の背中越しに光によって観客は「タージマハルがある」ことを見るので、フマーユーンとバーブルがどんな表情をしてタージマハルを見たかはわらない。席位置によっては見えたかも…でも、タージマハルを見る2人の様子は、基本的には観客には見えない/見せない、知ることができないを意識した演出だったとように思われる。

一方で、木の上のいかだから鳥を見る2人の姿、表情はよく見えた。

飛び立つ鳥の姿は劇場のどこからでも聴こえた羽ばたきとその様子を見る2人の視線、表情、仕草によって、確かに美しい光景を見た。2人が見た光景を頭の中に思い浮かべることができた。

2つの場面の対比もまた美しくて…。また劇場で観られたら。

思い出の幻影、フマにとっての過去との境界線が曖昧になって現在、バーブルのいない今へ、もう戻れない、けれど忘れることのないあの日々が遠くへ行ってしまう…そのほんの束の間の一瞬の光景…

 

 

f:id:t774n0g0n8:20201223064747j:plain

心から離れないので定期的に描く場面



8月『GUARDS AT THE TAJ』(Atlantic Theater)

2015年のオリジナルキャストたちの方で動きが…!

 作者とキャスト達の対談。

 これまだちゃんと見れてないので紹介のみ。

2021年は英語を頑張りたい、頑張るという目標とともに。

youtu.be

 

 

9月 ギャラリープロジェクト「翻訳家とは」

f:id:t774n0g0n8:20201221054127p:plain

トピックスはこちら

 

新国立劇場ギャラリープロジェクト演劇のおしごとvol.8「翻訳家」とは」現在は公開終了。

 

 

翻訳物もこれまで色々観てきているが、英文戯曲と翻訳版の読み比べをしたのは『タージマハルの衛兵』が初めて。舞台の翻訳に関心が高まっていたので内容はどれも大変に興味深く、面白かった。新国立劇場の情報センターでアーカイブ化されたらいいなと願いつつ。

 

そして『タージマハルの衛兵』の翻訳作業についてのエピソードが!

ざっくりと紹介すると、 

  • 上演台本は小田島創志氏による注釈付き
  • 翻訳作業中、テキストの段落が下がっている箇所に対して確認のメールへの作者ラジヴ氏からの回答「意図もなければ落丁でもない」小川氏いわく「ははは、よくわかんない。よろぴこ」との意。
  • 出演の成河氏と亀田佳明氏を交えてのテキレジ作業。演じる俳優としての視点や言い方などが反映したのが今回の翻訳戯曲

 

 

注釈付き上映台本…見てみたい…めっちゃ欲しい…と、率直な感想。

「意図もなければ落丁でもない」スタッフさんからの発言だったかと。かっこいい……。

元の英文は不明ながら、日本語としてすごい素敵な翻訳だなぁ…と心に刺さって聴いていたら、小川氏の意訳もサイコーだった。

事前に募集された質問の中から、『タージマハルの衛兵』が単独トピックスに取り上げられて嬉しかったし、作品を振り返る小田島氏の言葉や姿を見れたのも、作品ファンとして胸が熱くなった。配信だったので、繰り返し見ることができてよかった。

 

また別に感想をまとめる予定。

 

ギャラリープロジェクトのロゴも『タージマハルの衛兵』の宣伝美術を担当されたコードデザインスタジオさんとまいまい堂さん

 

 

11月その1 Atlantic theaterにてオリジナルキャストによるリーディング配信

 

配信なので日本での視聴について確認したくて初めて海外の劇場に問い合わせをした。

翻訳アプリでどうにかこうにか、しっちゃかめっちゃかな文章だったけど。

問い合わせて30分後くらいには「見れます!」との返信。やったー!

 

youtu.be

 パッと見たフマーユーンとバーブルの印象の違いだけでも、大変興味深いので予告動画を是非。

予告を見てもらうとわかるように形態が舞台とはまた異なるので単純に違いを言いづらいが、音でいうと鳥の鳴き声がちゃんと鳥のさえずりだった。『タージマハルの衛兵』は鳥といえば鳥だが、聞きようによっては人の叫び声にも似ている。

 言い方や声色の印象の違いも面白く、フマーユーンのバーブルへの注意の仕方ひとつでも、フマーユーンに対して受ける印象がだいぶ違った。

 

 もう一つ企画された作者Rajiv JosephとディレクターAmy Mortonの対談

こちらはアーカイブあり。

youtu.be

 バーブルのキャラクター設定や削除されたシーンについてなど。

これから改めて聴いてまとめたい。

こちらの動画ではラジヴ氏が「東京公演の」と、新国立劇場ことぜんTシャツを着て参加。

アローンさんとアロットさん

 

f:id:t774n0g0n8:20201223032257j:plain


2020年にことぜんTシャツ着てる関係者を2人も見ることに

 

リーディング配信に向けてAtlantic  Theaterが2015年の公演の動画をいくつかUPしてくれたのも嬉しいかった。

Guards at the Taj: from Page to Stage! - YouTube

"Beauty shall live" from Guards at the Taj - YouTube

第一場の最後、タージマハルの見る2人の演出が『タージマハルの衛兵』とは違うのが確認できたりと、また改めて感想を書きたい。

他のプロダクションの公演も観てみたい!と願う中、海外公演に関してはそれがいつになるかは全く見通せなくなった中で、オリジナルキャストによるリーディングを観ることが出来たのは、どこにも行けない、行きづらいこんな状況でめなければ企画されなかったことかもしれないので、奇しくも貴重な機会に。 

 

11月その2 新国立劇場の2021年版カレンダーに『タージマハルの衛兵』!

Twitter新国立劇場の2021年版カレンダーに『タージマハルの衛兵』が載っているけどファンの方々はご存知…?とツイートしてくださってたおかげで知る事となった。

 

 

♪ 新国立劇場 オンラインショップ ♪

での『タージマハルの衛兵』関係は


新国立劇場のカレンダー(6月)

theatreshop.jp

 は

表紙を飾った会報誌「TheAtre」2020年7月号

theatreshop.jp


公演パンフレット

theatreshop.jp

パンフレットのインタビューや稽古写真、『シリーズ「ことぜん」のビジュアルができるまで』で「ことぜん」シリーズの宣伝美術の制作過程、アロットさんとアローンさんの誕生秘話について載っていたりと、見所満載なので強くおすすめしたい。

 

 

12月 新国立劇場ミニカレンダー

f:id:t774n0g0n8:20201223040008j:plain

この記事を書いてる最中に届いた。

 

新国立劇場から新国立劇場 インターネット小口寄附 | 新国立劇場

の返礼品のミニカレンダー!なんと7月に『タージマハルの衛兵』!!

嬉しくて飛び出して走りまわりたかった。 

なんて運命的なタイミング。ぽっぽアドベントにも載せられる。

2021年『タージマハルの衛兵』が載ったカレンダーが2つを手にしながら2020年の『タージマハルの衛兵』の振り返りにする。

 

再放送があったらまたカウントダウンもしたい。

『タージマハルの衛兵』の再演があったら今度こそ千秋楽は劇場で拍手ができますように。

 

 

 

最後に 

f:id:t774n0g0n8:20201223034508j:plain

 1周年記念にと2020年12月7日にTwitterにあげた絵

 

2020年に『タージマハルの衛兵』にまつわることが沢山起こって、こうしてまとめらる機会を得られてよかった。誰かに伝えたくて書き出したけど、後で自分が読み返せるようにと、ぎゅうぎゅうに詰め込むだけ詰めこんだ形なので読みづらいだろうけど…と反省しつつ、次に活かせたら。
SNSサービスに依存した形でのまとめなので、どのくらいの時間残るかわからないけど『タージマハルの衛兵』について関心を持った方がこの記事に辿りついたときに、2020年にあったこと、2019年のメディア情報などが一助になれば幸いです。
いざ書いていくと『タージマハルの衛兵』への思いや考えはいくらでも溢れて止まらないということも実感した。作品そのものへの感想も別の機会にまとめる。決意表明なので言い切ろう。

 

うまく言葉がまとまってないので無理せずに。でも書いておきたいので最後に。


『タージマハルの衛兵』は「私の物語」

  

 

 

このあとは作品観てない方には伝わりづらい話なのだが、2020年を振り返ると新型感染症によって変化した社会と不安な日々、それでも続く生活への影響は切っても切り離せない。
『タージマハルの衛兵』が2020年を生きてく上で私の心の支えだったのは作品そのものへの情熱、カウントダウンやTV放送などの楽しみがあったのは勿論だけれど、「社会/権力による分断」という視点を得られていたのが本当によかった。
フマーユーンとバーブルは個人の感情の不和で決別したわけではなくて、「規則、皇帝、父親」権力者、社会に分断されたと観終わってから、ずっと怒ってた。
否応なしに実感する日々ではあるが生きてく中の苦しみに個人がどうがんばっても、どうにもできない要因が社会そのものにある。
にっちもさっちもいかない!つらい!!のは社会が作り上げた価値観や社会そのものに原因があるんだと怒れると自己責任なんて言葉で自分の首は絞めずにすんだ。

一晩で2万人の4万本の手が切り落とされるのは寓話的ではあるけれど、と少し距離を取れていた。けど、2020年の一変していく社会の中で本当に一瞬で、権力によって、直接的に命そのものが奪われなくても、人が生きづらくなる、そして死ぬしかなくなると実感した。 

 『タージマハルの衛兵』は2020年の社会、生活、他に観た作品の疑問や不満や消化不良を考えるにあたって、本当に「私の物語」であり続けてくれている。
多面的…多角的…解釈の幅が広いというのか…抽象的でありながら、ある眼差しに対して明確な写し鏡にもなりえるというか。

そのとき、そのときに見えてくる物語が変わるのも『タージマハルの衛兵』の面白さであり、普遍性ともいうのか。なので2020年の『タージマハルの衛兵』感想として。

 

 

 

 

 最後の最後に。

 

 もしよかったら、バーブル役の亀田佳明氏が朗読する

谷崎潤一郎「刺青」も聴いていってください。

ヘッドホンかイヤホン着用がオススメです。

オーディオ技術が素晴らしくて、左右の耳から亀田佳明…ってなるので

youtu.be

 

 

『タージマハルの衛兵』メディア掲載情報

戯曲

  • 『GUARDS AT THE TAJ』(英文版) ペーパーバック/Kindle
  • 『悲劇喜劇』2020年1月号 『タージマハルの衛兵』戯曲掲載(2019年12月7日発売)

雑誌等

  • 『act guide アクトガイド』season4 成河・亀田佳明対談(2019年11月25日発売)
  • 『BEST STAGE』 2020年1月号 成河・亀田佳明対談 (2019年11月27日発売)
  • 毎日新聞」東京夕刊 / 『タージマハルの衛兵』劇評(2019年12月19日発行)

(web版演劇:新国立劇場「タージマハルの衛兵」 成河と亀田、セリフに魂=評・濱田元子 - 毎日新聞

『えんぶ』no.22 2020年4月号  小川絵梨子・成河・亀田佳明の座談会インタビュー(2020年3月9日発売)(公演期間中のインタビュー)

電子版えんぶ22号(2020年4月号) | えんぶ☆電子版ミュージアム

 

web

 『タージマハルの衛兵』稽古場レポート【衝撃的な物語、幸せな創造現場】 感激観劇レポ|おけぴネット

10/29追記!翻訳の小田島創志さん、演出の小川絵梨子さんからのメッセージが届きました。【公演NEWS】追加公演決定! 新国立劇場 演劇『タージマハルの衛兵』 感激観劇レポ|おけぴネット

12/15感想追記!【公演NEWS】新国立劇場 演劇「タージマハルの衛兵」開幕!舞台写真&小川絵梨子さん(演出)、成河さん、亀田佳明さんのコメントが届きました。 感激観劇レポ|おけぴネット

 従うべきは命令か、それとも個人の意志か・・・成河と亀田佳明の二人芝居『タージマハルの衛兵』開幕│エンタステージ

 “存在のあり方問う普遍的な寓話”「タージマハルの衛兵」に成河、亀田佳明(コメントあり) - ステージナタリー

成河・亀田佳明が熱量高く演じた「タージマハルの衛兵」NHK BSプレミアムで放送 - ステージナタリー

小川絵梨子×成河×亀田佳明『タージマハルの衛兵』稽古場レポート - げきぴあ

 命令があれば何でもできる 『タージマハルの衛兵』 - 文化庁広報誌 ぶんかる

 新国立劇場シリーズ【ことぜん】『タージマハルの衛兵』開幕! | えんぶの情報サイト 演劇キック

成河と亀田佳明と小川絵梨子は? | えんぶの情報サイト 演劇キックこちらの内容は雑誌「えんぶ」にも掲載)

 「稽古前に何度も読み合わせを」、『タージマハルの衛兵』亀田佳明インタビュー(上) | アイデアニュース

「俳優って、稽古であっても声を出すのが怖いんです」、亀田佳明インタビュー(下) | アイデアニュース

成河×亀田佳明『タージマハルの衛兵』レビュー+2019年 新国立劇場<演劇>の仕事を振り返る【コラム】 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

 

 

audee.jp

サムネに見える「悲劇喜劇」…成河氏にと『タージマハルの衛兵』について

 

 

成河スタッフオフィシャルTwitter

 

 

web dorama de songha(成河のブログ)

12月17日記事

タージマハルのトークが終わる | web dorama de songha

 

12月23日記事

終わりました | web dorama de songha

 

 

www.kinokuniya.co.jp

mainichi.jp